発達障害は見た目では見えにくい特性ですが、職場では以下のような問題として表れることがあります。
☑指示の意図を正しく理解できない(ASDの特性)
☑注意力が控えめで、業務の抜け漏れが多い(ADHDの特性)
☑ルーチン業務が苦手で、急な変更に対応できない(ASDの特性) など・・・
発達障害の特性を理解せずに「やる気がない」「能力が低い」と判断してしまうと、適切なサポートができず、企業の生産性も落ちてしまいます。
今回は、発達障害の可能性があるためにパフォーマンスが低い従業員が抱えている3つの問題とは、企業としての適切な対応策について解説します。
1. 指示があいまいだと動けない
「何を求められているのかわからない」
発達障害の特性を持つ社員は、「あいまいな指示や抽象的な表現」を理解するのが苦手です。 このような指示をしたときに、思った通りに動けないことがあります。
<例>
❌ 「適当に終わりにして」 → 「適当って、どこまで?」
❌ 「これ、一応早めに対応して」 → 「一応早めって、今日中?明日でもいい?」
❌ 「この資料、いい感じにまとめて」 → 「いい感じって何?」
ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ人は、あいまいな表現を理解するのが苦手な傾向があります。
【解決策】
・指示を具体的にする「AのデータをBのフォーマットに入力し、17時までに提出してください」
・「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を明確に伝える
・口頭指示だけでなく、文字や画像、動画などで伝える
実はこれだけで、「指示が伝わらない問題」が大幅に改善することが多いです。
2. 優先順位がつけられない
「何から手を付ければいいのかわからない」
発達に障がいの特性がある人は、「タスクの優先順位付け」が苦手な場合が多いです。 たとえば…
「Aの仕事は今日中に決めてほしい。でもBも急いで、Cも大事」
「どの作業を優先すべきか考えて」
「適当に時間をかけながら進めて」
これらの指示方法だと
☑すべてを同じ重要度で捉えて考える、タスクの順番を決められない
☑一つの仕事にこだわりすぎて、時間配分ができない
☑途中で他の仕事を振ると、元の作業に戻れなくなる
これらはADHD(注意欠如・多動症)の特性としてよく見られます。
【解決策】
・優先順位を「見える化」する
・ToDoリストを作り、優先順位を明確にする(A > B > C)
・1つのタスクが終わったら報告し、次の指示を出す
・タイムスケジュールなども見える化する
このようなシンプルな仕組みを作るだけで、本人の負担が減り、仕事のミスやムダが減少することが期待できます。
3. 環境の変化に対応できない
「いつもと違うことをやると混乱する」
発達障害を持つ人は、「ルーチン業務は得意だけど、イレギュラー対応が苦手」という特性を持つことがあります。
☑いつもの作業手順が急に変わるとパニックになる
☑「新しいシステムに変わったから、やり方を覚えて」と言われて動けなくなる
☑臨機応変な対応を求められると、頭が真っ白になってしまう
特に、ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ人は、「一度決めたルールを守るのは得意だが、急な変更には弱い」という傾向があります。
【解決策】
・変化に備えた準備をする
・変更がある場合は事前にお知らせする(急な変更はストレスになりやすい)
・マニュアルやルールを明文化する(一度覚えれば、継続して取り組みやすい)
・「変更点」と「今までと同じ点」を明確に伝える(どこが変わったのかを強調)
このように、職場環境を整えるだけで、「イレギュラー対応ができない」状態から「ルーチンワークで高いパフォーマンスを発揮する」とういう好循環につながる可能性があります。
「発達障がいの特性を理解し、強みを活かす環境を作る」
低パフォーマンスの原因が発達障害によるものだった場合、本人の努力だけでは改善が難しい場合があります。また、通常の指導や助言、コーチングサービスでは改善に至りません。
しかし、正しく特性を理解して環境を整えれば…
☑指示が伝わりやすくなり、業務の遅れやミスが減る
☑優先順位がつけられ、仕事の進め方がスムーズになる
☑ルーチンを明確にすれば、安定したパフォーマンスを発揮できる
これにより、「低パフォーマンス社員」が「会社の戦力」に変わる可能性が大きくあります。
「うちの会社にも、パフォーマンスが低い社員がいる…」 「もしかしたら、発達障害の特性が影響しているのでは?」 そう感じたら、まずは適切な支援ができるかどうかを確認することが重要です。
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